ペーパーフィルターでのハンドドリップはコーヒーの一般的な淹れ方の一つです。ここではハンドドリップに関心がある初心者の方に向けて、美味しいコーヒーを淹れるための手順を説明していきます。

ハイブリッド焙煎による珈琲は抽出工程により、幅広く変化する味わいが特徴です。好みの味を引き出すためにも、この記事をとおして珈琲抽出の基本と星流抽出メソッドを確認しておきましょう。
用意するもの
まずは道具をそろえましょう。
必要な器具

ペーパーフィルター

細口ドリップポット

ドリッパー

メジャースプーン

サーバー

コーヒーミル
あると便利な器具

ドリップスケール

温度計
おすすめの珈琲器具
当店ではハイブリッド焙煎珈琲との相性がよいためHARIO製のコーヒー器具を中心にご紹介しています。
抽出レシピを決める

抽出レシピによる味わいの変化
コーヒー味わいは粒度(粉の粗さ)、湯温(水の温度)、抽出時間によって変化します。深煎りのコーヒー豆は苦みを抑え、浅煎りのコーヒー豆は酸味を抑えるように淹れるが一般的です(あえて特徴を際立たせるという考え方もあります)。中煎り焙煎や初めてのコーヒー豆は酸味と苦味をバランスよく淹れて、その味を基準にアレンジしていくのがおすすめです。
ハイブリッド焙煎珈琲は濃厚な味わいを楽しむために、爽やかな酸味とコクのある苦味をバランスよく淹れることを推奨しております。また雑味が出にくいため好みに合わせて抽出レシピを変えて、多様な味わいを引き出すこともできます。初めての方は、ぜひ普段の淹れ方で通常の焙煎との違いを感じてください。
抽出レシピの目安
コーヒーの抽出では前半に甘みや酸味成分が、後半で苦味成分が引き出されます。 抽出が早く終わるほど苦味の成分は抽出されず、コーヒーの酸味を感じやすくなります。下の表を参考にして抽出レシピを決めましょう。ただし、焙煎度合や鮮度によっても引き出される味わいは変化するので注意が必要です。
レシピ | 苦味を 抑える | バランス | 苦味を 引き出す |
---|---|---|---|
粒度 | 荒挽き ~中挽き | 中挽き | 中挽き ~細挽き |
抽出温度 | 75~85℃ | 80~90℃ | 85~95℃ |
蒸らし | 20秒 ~30秒 | 30秒 | 30 ~40秒 |
抽出時間 | 2分 ~2分30秒 | 2分30秒 ~3分 | 3分 ~3分30秒 |
準 備
器具の準備

器具を温めておく
コーヒーを美味しく飲める温度は60~70℃です。器具やカッブを温めることで最適な温度を維持できます。
この時、気になるようであればフィルターにも湯通しして匂いをとりましょう。
ペーパーフィルターの準備

ペーパーフィルターを折る
ペーパーフィルターをドリッパーに取り付けます。フィルターとドリッパーは形やサイズの合うものを使いましょう。
お水の準備

好みに合わせてお水を選ぶ
水には硬水と軟水があります。硬水は苦味が出やすいことから、一般的にコーヒーの抽出には軟水が適していると言われています。日本の水道水は、ほとんどが軟水ですのでコーヒーの抽出に問題なく使用できます。
汲みたての新鮮な水を使い、浄水器などで塩素臭を軽減するとより美味しいコーヒーを飲むことができます。また酸味を抑えて苦味を強く引き出したい場合には硬水での抽出も試してみてはいかがでしょうか。
コーヒー豆の準備

コーヒー豆を決める
コーヒー豆の量は1人分(150ml)が8~12gが目安です。一度の豆の量が増えるほど濃いコーヒーとなるため、好みに合わせて量を調整してください。
コーヒー豆の計量

コーヒー豆を計量する
デジタルスケールがない場合は、メジャースプーンを使いましょう。豆の種類や焙煎度合いにより誤差はありますが、コーヒーの味と豆の量との基準として、自分の好みの量を把握できます。参考までにメーカーごとのメジャースプーンのサイズをのせておきます。
メーカー | 一杯の量 |
---|---|
ハリオ | 12g |
カリタ | 10g |
メリタ | 8g |
コーヒー豆を挽く

コーヒー豆を挽く
好みの粗さを探すのも楽しみの一つです。初めての方は中挽きから試してみましょう。
一般的に粒度を細かくしすぎると雑味の原因になると言われますが、ハイブリッド焙煎では豆自体に雑味成分がほとんどないため、細挽きでもコクのある苦味を楽しむことができます。
粉をフィルターに投入

粉をフィルターに入れる
ドリッパーを持ち上げて水平にゆすり、粉をならせます。持ち手ではなくドリッパーの側面を持つと安定します。ドリッパーをトントンと叩くと粉のすきまがつまって抽出されにくくなるので注意しましょう。
抽出
注湯の方法

【Point】細く長く注ぐ
中心に向けて垂直に3~4㎝上から、そっとお湯をのせるように注ぎます。湯柱は2~3㎜で一定の湯量が保てるとベストです。

【Point】のを書くように注ぐ
外側にお湯がでてしまうとムラなく抽出することができないので、はみ出さないように中心から注ぎます。
蒸らし

【Point】しっかりと蒸らす
ドリッパーからコーヒーが数滴落ちてくるくらいを目安に、中心にお湯を注ぎ、粉の全体にお湯を含ませます。酸味と苦味のバランスがよい蒸らし時間は30秒程度です。
注 湯

【Point】膨らみを保つ
お湯を2〜3回に分けて、中心から土手を作るように注ぎます。

【Point】一定の水位で注ぐ
ゆっくり一定の湯量を注ぎ、中央部分がハンバーグのように膨らんできたら、注湯をやめます。少し待って中央部分が凹んできたら、再度注湯することを繰り返します。この時の水位が一定の幅の中に収まるようにしましょう。
抽出後のカス

【Point】抽出後はすり鉢状
抽出した後のカスはすり鉢状になります。細い泡の層ができていれば、ムラなく抽出できている証拠です。
カップに注ぐ

カップへ注ぐ
サーバーを軽くゆすって、コーヒーを撹拌し、温かいうちにカップにつぎましょう。
まとめ
最後にまとめていきます。美味しいコーヒーを淹れるためには①雑味を出さずに自分の好みの②酸味と苦味のバランスで③高い濃度で抽出することが必要です。そのためにも基本を押さえて、あなたの味覚に合った抽出レシピを見つけてください。
- 雑味が少ないため初心者でも自由な抽出レシピに挑戦できる
- 爽やかな酸味とコクのある苦みを好みに合わせて抽出できる
- 潜在的味わい最大化した濃厚なコーヒーを自宅で楽しめる
今回は美味しいコーヒーの淹れ方について説明しました。この記事で多くの人にドリップコーヒーについて知っていただき、美味しいおうちコーヒーを淹れる参考にしていただければ幸いです。
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